Inkscapeでイラストを作成していると、イラストに何かをしゃべらせたり、吹き出しをつけて文字を目立たせたいと思うことがでてくると思います。
でも、作ってみようとすると難しそう…と思ったり、作ってはみたけど思った形にならない…みたいなこともあるんじゃないかと思います。
この記事では、Inkscapeで色んな吹き出しを作成する方法についてご紹介します。

今回ご紹介する吹き出しの作成方法は、簡単できれいな形ができるので、ぜひ試してみてください。
事前準備
Inkscapeのインストールがまだの方は、こちら↓の記事を参考にインストールを済ませましょう。
立方体完成イメージと作成方法
具体的な作成手順に入る前に、完成イメージと今回ご紹介する吹き出しについてご紹介します。
立方体完成イメージ
この記事では、次のような吹き出しを作成していきます。

今回ご紹介する吹き出し
この記事でご紹介する吹き出しは、次の4種類です。
では、具体的な手順に入っていきます。
丸い吹き出し
ここからは、Inkscapeで下画像のような丸い吹き出しを作成する方法についてご紹介します。

作成の大まかな流れは、次の4ステップです。
では、順番にご紹介していきます。
円を描く
まずは、吹き出しの丸い部分を描いていきます。
「円/弧ツール」を選択
ツールバーの「円/弧ツール」を選択して、ドラッグで円を描きます。

三角形を描く
円を描いたら、三角形を描いていきます。
「星型ツール」を選択
ツールバー「星型ツール」をクリックして、「多角形」、角を「3」に設定します。
その状態で、ドラッグすると三角形を描くことができます。


三角形の角を丸くしたい!と思われた方は、こちら↓の記事で詳しくご紹介しています。
位置を調整する
ツールバー「選択ツール」をクリックして、三角形をドラッグして位置を調整していきます。
三角形のうち1点が、円の外に出るようにします。

三角形を変形させる
三角形を変形させずに吹き出しを作成することもできますが、より吹き出しっぽさを出すために、三角形を変形していきます。
オブジェクトをパスへ変換
今のままでは、三角形を変形させることができない状態なので、「オブジェクトをパスへ」変換することで、変形できる状態にしていきます。
メニューバー「パス」タブから「オブジェクトをパスへ」を選択します。


「オブジェクト」という状態では、拡大縮小くらいならできますが、曲げるなどの操作ができません。「パス」という状態にするとそれらの操作ができるようになります。
三角形を曲げる
先ほど、「オブジェクト」から「パス」という状態に変換したので、これから三角形を曲げていきます。
ツールバー「ノードツール」を選択して、線をドラッグして、吹き出しの形になるように曲げていきます。

円と三角形を結合させる
円と三角形を描き終えたら、2つの図形を結合していきます。
形を確認する
ある程度形が確定したら、吹き出し全体に色をつけて、最終確認を行います。


今回は分かりやすくするために、黒色を選択しました。
円と三角形を結合する
形が確定したら、2つの図形を結合していきます。
円と三角形を選択した状態で、メニューバー「パス」タブから「統合」を選択します。


説明上分かりやすくするため、吹き出しの色付けをなくしていますが、色は塗ったままで結合してもOKです。
完成!
これで、丸い吹き出しが完成しました。

雲のような吹き出し
ここからは、Inkscapeで下画像のようなモクモクした吹き出しの作成方法についてご紹介します。

今回は先ほど作成した丸い吹き出しを使って、雲のような吹き出しを作成していきます。
作成の大まかな流れは、次の2ステップです。
では、順番にご紹介していきます。
円を丸い吹き出し線上に配置する
まず、先ほど描いた丸い吹き出しを準備します。
その上で、丸い吹き出し線上に円を配置していきます。
円を描く
ツールバーの「円/弧ツール」を選択して、ドラッグで円を描きます。
円は、丸い吹き出しの線上に描くようにします。

円をコピペする
円を一つ描き終えたら、それをコピペして、丸い吹き出しの全体に円を配置していきます。


この円で、雲のモクモク部分を作成してくので、お好みの大きさや形など調整してください。
円と丸い吹き出しを結合する
円を配置し終えたら、円と丸い吹き出しを結合していきます。
形を確認する
ある程度形が確定したら、吹き出し全体に色をつけて、最終確認を行います。

円と丸い吹き出しを結合する
形の最終確認ができたら、円と丸い吹き出しを結合していきます。
円と丸い吹き出しを選択した状態で、メニューバー「パス」タブから「統合」を選択します。

完成!
これで、雲のような吹き出しが完成しました。

考え事をしているような吹き出し
ここからは、Inkscapeで下画像のような考え事をしているような吹き出しの作成方法についてご紹介します。

これは、先ほど描いた雲のような吹き出しをアレンジして作成していきます。
作成の大まかな流れは、次の3ステップです。
では、順番にご紹介していきます。
円を丸い吹き出し線上に配置する
先ほど作成した雲のような吹き出しでは、丸い吹き出しの線上に円を配置していきました。

今回の考え事をしているような吹き出しでは、左下の尖っている部分を隠すように、円をコピペしていきます。


どう隠しても尖っている部分が見えてしまう場合には、「ノードツール」を使って、尖っている部分の点を削除してもOKです。
小さな円を配置する
考え事をしている感じを出すために、雲の下に円を何個か配置していきます。
円をコピペ
円をコピーして、左下にペーストしていきます。

円のサイズを小さくして配置
円のサイズを小さくして、考え事をしているように見えるように配置していきます。
図形のサイズ変更方法の詳細については、こちらの記事▼で詳細にご紹介しています。
→【超簡単】Inkscapeで図形を拡大・縮小(サイズ変更)する2種類の方法

線幅が大きな円と小さな円で異なるのが若干気になりますね…

円の線幅を変更したい!と思われた方はこちら↓から
形を確認する
ある程度形が確定したら、吹き出し全体に色をつけて、最終確認を行います。

円を結合する
形の最終確認ができたら、円を結合していきます。
雲の部分を選択した状態で、メニューバー「パス」タブから「統合」をクリックします。

完成!
これで、考え事をしているような吹き出しが完成しました。

トゲトゲした吹き出し
ここからは、Inkscapeで下画像のようなトゲトゲした吹き出しの作成方法についてご紹介します。
ビックリした感じを出したいときに使えます。

ここまで、丸い吹き出し等をアレンジして、色んな吹き出しを作成してきましたが、これからご紹介するトゲトゲの吹き出しは、一から作成していきます。
とは言っても、やり方はとっても簡単なので安心してください。
作成の大まかな流れは、次の2ステップです。
では、順番にご紹介していきます。
トゲトゲ図形を描く
まずは、トゲトゲの図形を描いていきます。
星型ツールを選択
ツールバー「星型ツール」を選択して、「星型」、角を「10」、スポーク比を「0.7」に設定します。
その状態で、ドラッグするとトゲトゲの図形を描くことができます。


この形でも十分ビックリした感じが出ていますが、これからご紹介する方法を使えば、よりビックリした感じのあるトゲトゲの吹き出しを作成できます。
オブジェクトをパスへを選択
今の状態では、図形の編集することができないので、編集できる状態にします。
メニューバー「パス」タブから「オブジェクトをパスへ」を選択します。

ツールバー「ノードツール」を選択すると、内側外側のトゲトゲ箇所全ての点が表示されました。
これで、図形を編集できる状態になりました。

図形を変形させる
ここからは、図形を変形させていきます。
内側の尖った部分を丸くする
ツールバー「ノードツール」を選択した状態で、「Ctrl」を押しながら内側の点をクリックします。
そうすると、内側に尖った部分が曲線になります。

これの作業を、内側点全てに行います。

図形を縦につぶす
ツールバー「選択ツール」を選択して図形をクリックし、表示された両矢印をドラッグします。
下画像では、縦につぶしていますが、形は好みに合わせて変形させてみてください。
図形の変形方法の詳細については、こちらの記事▼で詳細にご紹介しています。
→【超簡単】Inkscapeで図形を拡大・縮小(サイズ変更)する2種類の方法

完成!
トゲトゲした吹き出しが完成しました。

まとめ
この記事では、Inkscapeで吹き出しを作成する方法についてご紹介しました。
ご自身の用途に合わせて、色んな吹き出しを作成してみてください。

吹き出しが完成して、文字を入れたい!と思われていませんか?
こちらの記事▼で色んな文字の描き方についてご紹介しています。
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